枝を採取して苗木増殖

 津市芸濃町の椋本神社に植わる国指定天然記念物「椋本の大ムク」の後継樹3本(約140cm)がこの冬、里帰りした。さっそく日当たりの良い場所を選んで植樹を行った。乾燥する冬は補水を良くするなどのアドバイスもあり、害獣に備えて柵を巡らせた。
里帰りは、高齢木で多発する異常気象に被害を受けることを案じる同社宮司からの「林木遺伝子銀行110番」の利用申請を受けて実現したもの。
 国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター関西育種場(岡山県勝央町)は、巨樹・名木の収集保存を図る目的から、これらの樹木の枝を採取し、接ぎ木して増殖した苗木を保存するジーンバンク事業を行っている。
平成15年度からは、所有者から要請を受けて苗木を増殖し、里帰りサービスを行う「林木遺伝子銀行110番」も展開中で、令和2年度までに98件の実績があるという。親木と同じ遺伝子を持つため、二代目として成長することが期待できる。