渡邊 修三さん(74歳)
頼りになるのは隣近所の人たち!
2月3日(日)、修成小学校(修成町)とセントヨゼフ女子学園(半田)を会場に、巨大地震・津波発生を想定した大規模防災訓練、避難所運営訓練を実施した。地域住民ら約800人が集まり、本番さながらの真剣な表情で取り組んだ。「安心、安全なまちづくりをしよう」と毎月、自治会の班長と防災の勉強会を重ねている成果だ。
もう70歳になったから、いつ死んでもいいと参加しない人も多い。「あんたは死んでもいいが、死んだあんたを探すのに、生き残ったものは大変な努力を払うんだ。だから、必ず訓練には参加してくれ」と説得する。
訓練の反省点もある。生徒や児童を除いて、600人ほどが受付にどっと詰めかけた。名前と住所を書いて大混雑になった。名札を作って、QRコードを刷り込めと提案している。「そうすれば必要な情報が瞬時に分かるが、個人情報うんぬんと反対が多い。行政もそっぽを向いている」と嘆く。
「自助、共助と言いますが、震災が起こったら頼りになるのは隣近所の人たち。お互いを知っているからです。家がつぶれても、寝たきりのおばあちゃんが寝ているのは、家の中のここだと分かれば、助けるのは早い」と指摘する。
12年前に両親の介護のために帰省して以来、弓屋敷町の自治会役員をしている。毎月2回、自治会報をワープロでつくり、町内に配布する。2カ月に1回は必ず防災啓発の内容にしている。課題は住民の防災意識をどうやって高めるかだ。「修正地区に1万人近い人が生活していますが、訓練に参加は6%。これをなんとか15%にしたい」と苦心する。
市役所にも注文がある。「避難勧告だの、避難指示だの小難しい行政用語を使うな」と言いたい。「警報が出たから年寄りは早めに逃げてください」と分かりやすく言えんばいい。
避難所運営をどうするのか。毎月、9班(総務・情報・被災者管理・施設管理・食料物資・救護・衛生・ボランティア・外国人支援)の内容について検討を重ねる。
6年間も防災研修をやっているので、およそ半分の人が班長を経験したことになる。避難所に集まった人は班分けをして、班長を決める。班長の言うことをみんなが聞く。そこから避難所が動き出す。避難所に着いたらます何をするか。戸惑うことはない。地区の訓練要領書兼指示書は実にリアルに住民がすべきことが書いてある。
今回は修正小の児童が学校として参加した。「子どもが逃げれば親も逃げる。子どもの役割も重要です」と強調する。
「反省点を踏まえ、さらにレべルアップを図りたい。自助と共助を理解してほしい」と大規模災害に備え、啓発活動に懸命だ。
子ども3人は独立。孫4人。夫人と2人暮らし。趣味は畑仕事、ゴルフ。