町屋地区荒廃農地対策協議会が発足
会長に坂野大徹さん
農地再生へモデル事業実施へ
津市町屋地区の荒廃農地を解消し、農地の有効利用を促進しようと、4月29日(月・祝)、津市栗真町屋町の町屋会館で「町屋地区荒廃農地対策協議会」の設立総会が開かれた。町屋地区自治会、県と津市の農林水産部、JA津安芸、三重大学など関係者が出席した。前葉泰幸津市長も駆け付けた。
協議会の参加者は町屋地区の農地所有者、農業に意欲のある人、町屋地区住民ら約40人。前葉市長が「町屋地区は三重大学に隣接し、荒廃農地対策を研究者に参加してもらえるのは幸い。令和版営農会議として機能してほしい」と励ました。
発起人の水谷隆さんは「かつてピーマンの生産で全国一を誇った町屋地区は、約40㌶の内、半分近くが耕作放棄されており、ハクビシンなどの獣害、火災の発生など深刻な事態になっている。農業従事者は高齢化が進み、専業農家は2・5人と危機的です」と現況を報告した。
同地区は農業振興地域で、農地以外への転用は厳しく制限されている。国道23号線と平行する旧伊勢街道と町屋海岸堤防に挟まれた畑作中心で、ナスやキュウリ、ピーマンの栽培が盛ん。施設園芸が普及していたが、高齢化、後継者不在で耕作放棄地が広がっている。
平成30年には荒廃農地対策の先進地である山梨県北杜市を視察研修し、ほ場整備、企業参入の事例を見学してきた。さらに、隣接する三重大学生物資源学部の教職員と相談し、大学の関わり方、学生の実習の場として利用できないかなど、モデル事業の実施など具体的な取り組みを検討してきた。
設立発起人んの坂野大徹代表は「荒れた土地を更地に戻し、何を作付けするか、三重大学の知恵をお借りしたい。農業法人の参加を含め、産学官の協議会設立、さらに、2年後をめどに、40㌶を対象に土地改良区を設立していきたい」と荒廃農地解消に向け意欲的に取り組んでいく考えを明らかにした。
すでに、三重大学そばの荒廃農地を更地にするために、約30㌃を耕作可能な農地に作り替えているが、市などの補助金は10㌃当たり約5万円に対して、雑木の伐採、整地に約30万円の費用がかかったと関係者は報告しており、投下資本を回収できる農産物の売り上げを、どう図っていくのか前途多難だ。