サオリーナで臨時議会
市独自のコロナ対策迫る
「特別定額給付金」巡り質疑

 津市議会臨時会が1日(金)、感染所予防のため津市産業スポーツセンター(サオリーナ)のサブアリーナで開かれた。国の新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の市民一人当たり10万円を支給する「特別定額給付金」、子育て世帯支援の児童1人1万円の「臨時特別給付金」など、286億7千480万円の令和2年度補正予算案、グリーンロードのり面崩落による災害復旧工事など専決処分など6件を審議し、全会一致で可決した。質疑には6議員が質問に立ち、定額給付金のDV世帯への配慮を質した。

 津市議会第1回臨時議会質疑

◎グリーンロード法面崩壊の復旧工事を急げ
 伊藤康雄議員(津和会) 美里町のグリーロード法(のり)面崩壊の件。のり面はコンクリートなどで固めてあったのか。
 建設部長 のり面はモルタル吹きつけがしてあった。山頂から浸透した雨水が浸透して亀裂を誘発して崩壊が発生した。
 伊藤議員 豪雨や地震では無く崩壊した。付近の部分はどうなのか。
 建設部長 崩落部分は40㍍であるが、影響がある部分を含め延長約80㍍の災害復旧を申請している。
 伊藤議員 交通量が多い道路であり、工程はどうなるのか。迂回(うかい)路は狭い道が多く、周辺住民から苦情が出ているので工事を急いでほしい。
 建設部長 災害が発生した4月19日(日)から交通止めにして、翌20日から立木の伐採、土砂撤去を行っている。6月から片側交通ができるように、土砂の撤去、仮設防護柵を設置する応急復旧工事を進めている。今後、国の災害復旧査定を受けてから本格工事を行いたい。
◎DV家庭などに配慮を
 伊藤議員 市民一人当たり10万円の特別定額給付金の補正予算について。世帯の中で事情がある家庭もある。DV被害で別の住所に住んでいるとか、家庭不和で家族に渡らないケースも考えられる。
 新型コロナウイルス感染症定額給付金等担当理事 世帯主に給付するということになっているが、DVの方には申請機関・調整機関を設けて実際の住所に送金することも可能。世帯分離も可能なので、ぞれぞれの事情に応じて、本人に交付できるように考えていく。
◎連絡が取れない家庭は
 安積むつみ議員(公明党議員団) 新型コロナウイルス感染症定額給付金について。連絡が取れない人はどう確認するのか。
 新型コロナウイルス感染症定額給付金等担当理事 連絡が取れない人には提出のお願いの文書を出す。自治会や民生委員の手を借ることも考えている。
 安積議員 一人住まいの高齢者や施設入居の高齢者にどのように働きかけをするのか。
 新型コロナウイルス感染症定額給付金等担当理事 お問い合わせ窓口を設置して申請の書き方などのいとい合わせに応えていく。
 安積議員 なかなか話し中でつながらないという苦情がある。
 新型コロナウイルス感染症定額給付金等担当理事 状況に応じて体制を強化していく。
◎DV家庭のオンライン受付は
 堀口順也議員(公明党議員団) 1人10万円の定額給付金の件で、津市は5月11日(月)から順次手続きをすると聞いているが、DV家庭向けオンラインなら今日(1日)にでもできるはずだが、津市はどうか。
 新型コロナウイルス感染症定額給付金等担当理事 本日から総務省のポータルサイトの受け付けが開始されているが、DVの関係の調整期間が8日(金)までとなっており、速やかに準備したい。
 堀口議員 DVの関係の受付〆切りは4月30日までとなっていたが。
 新型コロナウイルス感染症定額給付金等担当理事 30日以降も受け付けると総務省から連絡があり、その後でも、DV被害者に直接給付金が渡るように、一時的にDV加害者と2重給付になっても、加害者に返金を要請する。
◎臨時給付金増額を
 龍神啓介議員(市民クラブ) 市は当初、中小企業への臨時給付金について否定的だったが、国・県の方針で市も行うことになった。方向転換については。
 市長 県の休業要請に応じた企業に協力金を出すのは、県と市・町が協調してやっていこうということになった。そもそも1兆円の交付金は市町が新型コロナに対して工夫して使っていくものだったはずだが、その後、休業要請に対しての協力金に充てて良いということになった。1兆円の交付金では不足すると知事に申し上げ、知事も西村経済復興大臣に要望しているので、増額されることを期待している。
 龍神議員 1兆円がさらに増額されると聞いているが、その場合津市は対応するのか。
 市長 増額されれば、市民、市内企業者のために工夫を凝らして取り組みたい。
◎医療崩壊を心配
 山路小百合議員(市民クラブ)  連携の無い部分も念頭において予算編成したのか。
 政策財務部長 臨時交付金を充当する考えで予算編成した。
 山路議員 市独自のものを考えた上で予算を作ったのか。
 政策財務部長 増額されるかは不透明で、もし増額無しでも、市民にとって必要な施策は進めていく。
 山路議員 医療現場に医薬品や防護服など足りていない。医療崩壊を市民は不安に思っている。今回の予算には無いがどうしてなのか。
 市長 感染予防のていねいな情報提供が重要だと市として取り組んできた。放課後児童クラブへの支援など予備費を活用してきた。市民相談窓口を設置したが、市民の相談は「給付金」の相談が多く、1日も早く給付できるように全力投球している。その次の段階がどうなるのか。改めて津市独自の対応が必要になるのでは無いかと考えている。
◎待ち焦がれている市民も
 村主英明議員(市民クラブ) 給付対象は4月27日(月)に住民基本台帳に記載されている者となっている。基準日直前に離婚、誕生、死亡などで届出が遅れた場合どうするのか。給付漏れ、誤給付にどう対処するのか。
 新型コロナウイルス感染症定額給付金等担当理事 5月11日(月)の発送の直前まで、誤給付の無いように抜き取りなどを行うが、誤給付の場合は速やかに返還を求める。
 村主議員 視覚障がい者や外国人など要配慮者への取り組みについては。
 新型コロナウイルス感染症定額給付金等担当理事 問い合わせ窓口に4カ国語を話せる者を配置している。
 村主議員 待ち焦がれている市民もいる。遅くともいつまでにはと限定できないか。
 新型コロナウイルス感染症定額給付金等担当理事 5月15日(金)までに申請書の発送を完了できるようにしたい。
 村主議員 5月13日(水)から給付が始まるが、何日までに完了するのか。
  新型コロナウイルス感染症定額給付金等担当理事 申請書が届いて最速で翌日に振り込めるようにしたい。業務集中の場合でも10日以内に振り込みたい。
 村主議員 感染拡大阻止協力金について。対象外の業種、海の家(浜茶屋)、果樹園、ゴルフ場、駐車場など、県に対処を申し入れるべきではないか。
 商工観光部長 漏れた施設について県に対処を要望していく。
 村主議員 グリーロードの崩落事故の予算の内容について内容を明らかに。
 建設部長 測量設計、委託調査費1468万円、土砂撤去、仮設防護柵工事請負費3237万円を計上した。
 村主議員 全面復旧までの見通しは。
 建設部長 6月から片側交通ができるように応急復旧工事を行っている。令和3年3月の工事完成に向けて取り組む。
 村主議員 監視パトロールは行っていなかったのか。
 建設部長 道路パトロールは行っており、路面、のり面の目視による監視をしている。
 村主議員 再発防止のための総点検は行っているのか。
【賛成討論】
◎ドライブスルー方式の検査体制を
 長谷川幸子議員(日本共産党津市議団) PCR検査を要請しても受けられないという国民の不安の声がある。津市にドライブスルー方式の検査体制の設置を求めたい。協力金対象事業の方がいる。持続化交付金事業で使える資金がある。一刻も早く必要な資金を市民に届けるために本補正予算議案に賛成する。市民不安の声に応え、感染防止のために全力で取り組むことを求める。
◎津市独自の新たな対策を
 村主英明議員 補正予算は新型コロナウイルス臨時交付金が財源になっている。4月20日(月)に決められた閣議で、「地方公共団体が地域の実情に応じてきめ細やかに事業を実施できるように創設する」となっている。津市が必要な事業を早急に立案して実施することが重要である。市長は次の段階でも必要な事業を講じなければならないと決意を披露された。県内他の市町ではすでに独自の取り組みを行っている。津市の取り組みが見えてこないという市民の声があり、同時に、市民に近い存在の議会議員も何をしているのか分からないのではないかと率直に反省している。本議案に賛成するとともに、さらに必要な対策を議会としても取り組むことを議員諸兄に訴えたい。