吉野弦太弁護士が検事の生き様語る
吉野りん子さん5周年記念
あかりちゃんほのぼのコンサート
津市一身田町の高田会館ホールで18日(土)「あかりちゃんほのぼのコンサート」が開かれた。
今回は同コンサートの公演プロデューサー吉野りん子さんの就任5周年を記念して、講演会とコンサートを実施。150人程が御祝いに駆けつけた。
吉野さんがウェルカム・ソング「乾杯の歌」(ヴェルディ作曲)を演奏。続いて、実弟で元特捜検事・現弁護士の吉野弦太さん(42)が「特捜検事の生き様と法の涙」と題して講演。警察と協力して起訴へ持ち込む検事の仕事とは異なり、特捜検事が扱うのは国益に反する犯罪行為が中心。「強制捜査で容疑者宅へ入ったとき、我々をじっと見つめていた目が忘れられない。しかし、放置すれば法の遂行人として国民の付託に応えられなくなる」。心はこの間を往き来し、揺れる。 講演後半のテーマは、検事とは180度立場が異なる弁護士への転身(のぞみ総合法律事務所)で見えてきた「正義の幅」について。一つの事故事件から派生する当初は予測不可能な損害に対して、どこまで賠償責任が伴うのか。弁護する側としてその線引きが難しく、立ち位置を定めることの難しさが語られた。
姉・りん子さんは「エオリアン・ハープ」(ショパン)と、自身がスウェーデン留学中、初めて見たダイヤモンドダストに想を得て作った「水晶の降る夜のテーマ」を演奏。異色の取り合わせとなった今回の「あかりちゃんほのぼのコンサート」。来場者は弟の仕事の厳しさに思いを致しながら、透明感と潤いのある姉のピアノに聴き入った。