藤田医科大学七栗記念病院と榊原温泉が連携
 

 津市は、ふるさと納税の返礼品として、榊原温泉施設と病院がタイアップした「入浴&脳ドック検診」の日帰りプランを加えた。
 ふるさと納税は、全国にある好きな自治体に寄付をすると住民税が一部控除され、さらに寄付額の3割以内の返礼品を受け取ることができるとあって、利用者は年々増えており、いまや一大事業となっている。当初は豪華な返礼品が人気だったが、近年“そこでしかできない”体験型プランが増え、人気を集めている。税収増加はもちろん、地元の魅力を知ってもらい、観光のリピーターを増やそうと、各自治体が趣向を凝らした返礼品を用意している。
 11月19日、津市大鳥町の藤田医科大学七栗記念病院(大高洋平院長)で「くつろぎ温泉 七栗脳ドック」を津市のふるさと納税返礼品(寄付額11万2000円)に登録したと発表した。
 利用者はまず、病院で血管の状態を調べる血管画像(MRA)や頭部の断面の画像を撮影するMRI検査、認知症検査などの脳ドックを受け、その後、温泉施設に移動してランチと入浴を楽しむ。温泉と食事は湯元榊原館・神湯館・湯の瀬ラムちゃんパーク3か所から選ぶことができ、追加料金を払えばランチを夕食に変更できる施設もある。すでに10月から専用サイトで申し込みが始まっている。
 脳の健康状態を検査する「脳ドック」は「人間ドック」では網羅されていない。後遺症が残ったり、生死に関わったりするような脳の疾患を早期に発見することで、予防や進行の防止につなげるために現代では欠かせない検査だ。
 入浴&脳ドック検診プランは一昨年前、藤田医科大学七栗記念病院と3旅館の有志が連携して令和4年(2022)、歴史ある榊原温泉をウェルネスに利用してもらおうと脳ドックと宿泊をセットにしたモニターツアーを企画。同ツアーが好評だったため、翌5年(2023)10月「ご褒美があれば検査だって“おでかけ”になる ~くつろぎ温泉 七栗脳ドック」を始めた。約1年間で約150人が利用があった。利用者の56%は津市内だが、市外から25%、愛知県や滋賀県など県外からも19%の利用があった。年代別には、50歳代以上の利用者が74%を占めるという。
 「七栗脳ドック」プランは、「脳ドック」を榊原温泉地区内の七栗記念病院で行い、画像診断は津市久居明神町の「ひさい脳神経外科クリニック」の古川和博院長が担当する。ふるさと納税で11万2000円を寄付すれば利用できる。ふるさと納税を利用しない場合の通常料金は3万3000円(税込み)。宿泊は別途、料金が必要となる。
 大高院長は「榊原温泉というすばらしい温泉と医療を掛け合わせたいと思い、このプランを始めました。気軽に脳ドックを受けてもらいたい脳ドックをきっかけに医療と地域の力を連携して価値を高めていきたい」と語った。
 津市久居総合支所の浅生伸之所長は「健診で榊原温泉に来てもらえれば津市にとってもありがたい。地元の活性化に役立てたい。健康が気になる人だけでなく、両親などへのプレゼントとして」と喜んでいる。
 「七栗脳ドック」の予約や問い合わせは、電話059(252)3036(同病院放射線課)。