17隻がハマグリ、バカガイ漁
カタクチイワシは前年比35%増だが…
猛暑・暖冬で資源環境が変化
令和7年県営白塚漁港から白塚漁協所属の漁船の初出漁は2月3日(日)となった。この日出漁したのは白塚21隻、河芸6隻。初漁はハマグリとバカガイ。収穫はどの船も10㎏~20㎏と少なかった。小女子漁(イカナゴ漁)は平成28年(1916)から禁漁が続いており、今年も禁漁が続くと10年連続禁漁となる。
1月いっぱいは資源保護のため休漁した。1月の漁はツブ貝(巻き貝の1種)漁だけで、白塚で2軒、河芸で3軒ほどの組合員が漁をしている。資源保護の対象ではないため規制は無いが、水温が低すぎるといなくなるという。1㎏あたり約600円。1日3~4㎏の漁で、10㎏、20キロの単位でまとめて出荷する。
貝漁は9月から1月の間は禁漁期間。2月1日から解禁になったが、ハマグリはまずまずだが、トリガイ、バカガイは不漁だという。アサリは富栄養化の海に適しており、河川の栄養塩供給力が減少したためかほとんど取れていない。
令和6年の漁獲はカタクチイワシが約305万㎏(前年225万7560㎏)で約35・5%増えたものの、マイワシが不良で、総水揚げ高は振るわず、対前年比約7%減。漁船員の多くは陸のアルバイトに出かけるなど苦境が続いている。
白塚漁港は平成30年に三重県の管理漁港となり、津市営漁港から県営漁港となり、伊勢湾内バッチ網漁の拠点港となった。県内のバッチ網漁船は湾港の答志漁協、神島漁協所属などの漁船も水揚げする。
マイワシは令和3年に624万4千㎏の水揚げをピークに減り続け、令和5年の水揚げはゼロとなった。比較的に安定した漁獲はカタクチイワシだけとなっているが魚価の低迷が続いている。ウルメイワシ3万1590㎏、カエリ7万290㎏。マダカ(スズキ)が5496㎏で前年の3分の1。アジは2万3310㎏で、前年比42%と激減している。
白塚漁協の糸川兼文参事は「カタクチイワシ以外の魚は漁獲する魚種が安定していない。一昨年の10月には一時、東南アジアで取れるカタボシイワシが大量の取れたが、その後はほぼなくなった」と嘆いている。
白塚漁港所属のバッチ網は3軒の網元。漁協の正組合員は54人。準組合員(仲買など)が34人。浜の水揚げ減少で後継者難。ワカメ、カキの養殖など新たな取り組みは未だ検討段階だ。
問合せは白塚漁協=電話059(232)3027。