インフルエンザから身を守ろう!
三重県内4週連続警報レベルに
高齢者は肺炎、脳症にご注意
手指消毒・マスク・換気の徹底を!!

 インフルエンザが依然として猛威を振るっている。厚生労働省は17日(金)、全国に約5千ヵ所の定点医療機関から報告された6~12日のインフルエンザの新規感染者数が17万2417人で、1医療機関あたり35・2人だったと発表した。年末年始の休診と重なった前週の33・82人から増加し、4週連続で警報レベルとなる30・00人を超えた。定点あたりの感染者数が最も多かった都道府県は徳島で57・38人。次いで宮崎57・24人、高知56・36人。40府県で30.00人を超えた。
 1月12日までの1週間に県内72の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、1医療機関あたりの平均で39・1人と、前の週よりも1.07倍増えたほか、国立感染症研究所が警報レベルの目安としている1医療機関あたり30人を4週連続で超えた。昨年同時期は13・82人であったことから今年は昨年の約3倍となっている。
保健所別では、桑名保健所の管内が52・3人と最も多く、次いで鈴鹿保健所が52・2人などとなっている。
 県内のインフルエンザ患者は12月中旬から急増した。感染が拡大しているのは、2009年に発生した新型インフルエンザA(H1N1)pdm01。県では「新型コロナウイルス禍でマスクや手洗いなどの徹底でインフルエンザの流行が抑えられ、この型の免疫を持つ人が激減していることが今季の流行要因の一つではないか」と分析する。
▼インフルエンザ脳症・肺炎に注意
 インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる感染症。A型、またはB型インフルエンザウイルスの感染を受けてから1〜3日間ほどの潜伏期間のあと、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が比較的急速に現れるのが特徴。あわせて普通の風邪と同じように、ノドの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られ、風邪よりも全身症状が強い。子どもではまれに急性脳症を、免疫力の低下している高齢者は肺炎を伴うなど、重症になることがある。特に注意が必要なのはインフルエンザ脳症。意識障害やけいれん、異常行動が表れる。インフルエンザの発症後、2日以内に起こりやすい。けいれんがなくても、視線が合わないなど意識レベルがおかしい場合は速やかに受診を!
 三重県医療保健部感染症課によると「現在の感染の9割以上を占めるA型による流行は、ほぼピークに達したとみられるが、県独自のサーベランスによるとB型が少しずつ出てきている。例年は春先にかけてインフルエンザB型が流行する。またコロナ患者も1医療機関あたり7・47人とじわじわと増加している」とし、引き続き、室内の定期的な換気や手洗い、マスクの着用など感染予防の徹底を呼びかけている。
▼中国で呼吸器感染症の一つ、ヒトメタニューモウイルス感染症が拡大
 WHO(世界保健機関)は7日、中国で呼吸器感染症の一つ、ヒトメタニューモウイルス感染症が拡大していると公表した。
 「ヒトメタニューモウイルス感染症」は、熱やせきなどの症状が出る感染症の1つで、インフルエンザと症状が似ていて、見分けるのが困難。ほとんどの場合、症状は軽く、安静にしていれば1週間ほどで回復するが、高齢者や乳幼児などが感染し発症すると重症化するおそれもある。中国では昨年11月から拡大傾向にある。当初は北部で流行し、南部でも患者が増加している。インドやインドネシアでも感染が確認されている。
春節(旧正月)に伴う連休が今月28日に始まるのに伴い、中国から旅行で来る人が増えれば、国内でも感染が広がる可能性もある。
▼インフルエンザにかからないために手指消毒・マスク・換気を徹底!!
・外出後の手洗い
 流水・石けんによる手洗いは、手指など体についたインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法です。
・適度な湿度の保持
 空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適度な湿度(50〜60%)を保つことも効果的です。
・十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
 体の抵抗力を高めるためには、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取が効果的です。
・人混みや繁華街への外出を控える
 やむを得ず人混みに入る可能性がある場合は、防御のために不織布製マスクの着用しましょう。
・室内をこまめに換気する
 常時換気設備がない場合は、定期的に窓を開けましょう。対角線上にあるドアや窓を2か所開放すると、効果的な換気ができます。
・ワクチンの接種
 ワクチンの効果があらわれるのは接種から2週間程度かかるが、接種がまだの方はご検討を。インフルエンザワクチンは感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化防止に有効と報告されていまる。
・歯磨きなどによって口の中をきれいに保つ
 歯垢(しこう)(プラーク)に含まれる病原体の中には、インフルエンザウイルスを増殖させたり体内に侵入しやすくしたりするものもある。プラークが多い状態で誤嚥をしてしまうと、肺炎になるリスクも高まる。口の中を清潔に保つことを忘れずに