株式会社津センターが破産手続きへ
旧都ホテルの運営会社
役割は終えた…。
負債総額は約1億1千万円
株式会社津センターパレスからホテル部門を借りて株式会社近鉄ホテルズにホテルの運営を委託していた津市大門の株式会社津センター(橋本喜久男代表取締役・資本金9800万円)が令和4年12月13日、津地方裁判所から破産手続きの開始を認められ、破産手続きを開始することになった。負債総額は1億1000万円と推定される。財産状況報告集会・廃止意見聴取等は2月24日(金)津地方裁判所破産係で行われる。破産管財人は村瀬勝彦弁護士(なぎさ法律事務所)。
昭和60年(1985)に旧津市役所跡地に津センターパレスビルが竣工し、キイーテナントのダイエーとともに近鉄系の「都ホテル」が進出して、大小の宴会や講演会に使われ、ダイエー撤退(平成7年)後も中心市街地のシンボル的存在だったが、津駅前のアスト津の完成(平成13年・2001)で、同時竣工したホテルに客をうばわれ、平成14年(2002)7月、株式会社近鉄ホテルシステムズが撤退表明。同14年、地元経済界の強い要望と後押しで、津市と地元経済界などの出資で株式会社津センターを設立。ホテルの運営に当たってきた。
ところが、景気回復期の平成2年(2019)新型コロナウイルス感染症の影響で宴会、宿泊とも打撃を受けて、ホテルは休業となった。
同社は初代の近藤康雄市長以来、松田直久市長、前葉泰幸市長3代の市長が歴代社長を勤めてきた。筆頭株主(3400万円・34・69%)の株式会社津センターパレスの社長も市長が兼務していた。平成28年(2016)以降、大家である株式会社津センターパレスへの家賃・光熱費の滞納がかさみ、令和2年(2020)7月、ついに津市長は(株)津センターの社長兼務を外れ、市役所OBの橋本喜久男氏が代表取締役となり、ホテルの再会に取り組んできた。
令和2年の津市議会第3回例会で村主英明議員が「都ホテルの全館休業」、小野欽市議員が「津センター」問題を取り上げて、総務財政委員会でも議論を重ねていた。
橋本代表取締役は「会社設立当初からの事情を知るものがいなくなり、自分が最後の整理を引き受けざるを得ないと覚悟していました。残念ですが、会社としての役割は終えたと思います」と言葉少なに話していた。
当時の関係者は「市中心部からホテルの火を消すなーとの合い言葉で、近藤康雄市長や田村憲司津商工会議所会頭(当時)らが大阪(近鉄本社)に足を運んで、地元経済界も出資して新会社を設置してホテルを継続した。昨年、リオホテルズが進出して、株式会社津センターは役目を終えた」と話している。
旧都ホテル跡地には、令和4年1月、ホテル再生を得意とする東京のリオホテルズが進出を決め、同4年4月25日に「ホテル津センターパレス」としてオープンしている。