惜しまれて引退!ベテラン9議員が議場を後に 合併乗り越え地域に尽くす!
新議員にバトンタッチ
34人の新議員が決まり、11人の新人議員が誕生した一方、今日4日(金)9人のベテラン議員が惜しまれつつ議場を去る。
引退するのは藤本とも子議員(60)④、長谷川幸子議員(69)②、加藤美江子議員(67)④、西山みえ議員(67)③、杉谷育生議員(75)、大野寛議員(76)④、岡幸男議員(67)④、④田村宗博議員(73)④、村田彰久議員(73)④、(議席順)。この内、7議員は合併選挙を乗り越えてきた。9議員とも市政のさまざまな課題に詳通し、まちづくり、福祉、教育などに一家言を持ち、積極的に活動してきた。理由は高齢、体調不良、後進に道を譲りたいなど。引退後も地域での指導的役割に期待したい。
◎◎安濃地域を寂れさせない!
藤本とも子議員(60)④ 平成4年1月安濃町初の女性議員として議員活動を開始。地域と結びつき地域の声をしっかりと行政に届けること、その結果をきちんと地域に報告することをを大切に活動したきた。「合併後も安濃地域を寂れさせないとの思いで、安濃温泉の存続、経ヶ峰への風力発電の建設反対を地域住民とともに声を上げてきた」と振り返る。昭和31年から4年間副議長を歴任。「百条委員会を立ち上げて、今までの流れは断ち切れたと思う」。
◎医療窓口無料化を実現!
長谷川幸子議員(69)3期。中学生まで子どもの医療費窓口無料化を実現した。生活保護行政の充実、男女共同参画の推進、全国初の大型ゴミの高齢者宅への回収実現など幾多の成果を誇る。「高すぎる介護保険料、子どもの権利尊重、市に奨学金が無い。まだまだやり残した課題はたくさんあります」と残念がる。「目に見える形で若者や未来への投資を実現したい」引退しても活動は止まらない。
◎弱者の視点で施策を訴え
令和2年、3年、津市議会初の女性議長を歴任。市議会初の百条員会を立ち上げ議会改革を実証した。5期19年の議員生活の中で一貫して女性の視点、生活者の視点、取り分け弱者の視点で施策を訴えてきた。「女性相談室の設置、障がい者駐車場の拡充、障がい者の方が作った物品の庁舎内での販売など声が届きにくい方たちの支援に力を注いできた」と振り返る。「これからも市議会で『誰一人も置き去りにしない』SDGsの推進を望みたい」。
◎市民の女性目線で議員活動をしてきた
西山みえ議員(67)3期。
仕事、子育て、介護を経験した一般の一女性として議員になり、教育、福祉、文化芸術の振興発展に取り組んできた。「女性が社会進出を推進する時代になりましたが、組織や党に所属しない私にとって、議員活動は貴重な体験でした」と振り返る。令和3年は一年間市議会選出の監査役を務めた。「市議会の監査役不要論もあったが、大切な役割。これまでの経験を元に精一杯つとめさせていただいた。」「今後は一市民として市政に積極的に関わっていきたい。」と意欲満々。
◎県道と市道とつなぐ道路整備
杉谷育夫議員 4期。県道整備に全力で取り組んだ。1期目は県道津芸濃大山田線の多聞地区の拡幅。2期目は県道津関線へ芸能総合文化センターからつなぐ市道から入る信号機を含めた交差点。3期目は県道津関線の佐藤ライト工業近くの歩道整備。道路整備には用地買収、路線決定、整備着手と4~5年がかりの案件ばかり。あと一歩に漕ぎ着けながら完了していない整備案件もある。「引退後は、若いころからやってきた機能別消防団員として、地域ボランティアをしながらやっていきたい」と地域の安全と環境整備に意欲満々だ。
◎山間農業の危機訴える
大野寛議員(76)4期。広域最終処分場が地元三ヶ野が有力候補となって、反対運動を展開して断念に追い込んだ。一貫して農林業のために尽力してきた。「働き方改革で、70歳を超えても働く人が増えて、兼業が難しくなってきた。米価も1万円を割り込んで引き受け手が無くなってきた。市で営農会議を始めたが、このままでは山間の農業は破滅する」と危機感があらわ。「林業は森林環境税の創設で何とか守れそうだ」と森林整備について語るときはほほを緩めた。
◎「ホッ!とするに一身田」定着させた
岡幸男議員(67)4期。平成30年、令和元年と議長を歴任。「お伊勢さん菓子博2017」は実行委員長として成功に導いた。地元一身田ではまちづくりの先頭に立ち「ほっ!とするに一身田」のキャッチフレーズを考案して定着させてきた。「平成16年(2004)に「まちづくり交付金」が初めて5億円交付された。町内の河川改修、道路整備が進んだ」と振り返る。自分の生まれ育った町を好きになってほしいと、一身田中学校で「ナイトスクール」を実現、今も続けている。
◎10市町合併に全力を尽くす!!
10市町村の合併を旧津市議会議長(平成16年)として取りまとめ、新津市になってか2度に渡り議長を努めた。「近藤市長が対等合併を選択したのは一長一短があったと思う。議会は特例で定数166で行けるところを、38議員に減らす厳しい選択をした。10市町村が2つずつ20の事業を提案し、ほぼ実現はできたものの、中山間地域は過疎化が進んだ。地方議会から国へ声を上げなければならない。」と厳しく自省する。
◎水に弱い県都を整備
村田彰久議員(73)4期。平成24年2月~26年2月副議長を歴任。大雨に弱い養正地区の水害対策、ポンプ場の整備に力を入れてきた。「10の市町が一緒になったから、それぞれの町に言い分はあったが、合併して良かったと思う。サオリーナの完成で全国大会の開催ができるようになったのは大きい津市の素晴らしい財産になった」と振り返った。