声楽家 谷 篤さん(58歳)
音楽には深い慰めがあります!
津市出身の声楽家。バリトンからカウンターテナーの音域を歌う卓越した表現力と演技力は、高い評価を得ている。4月13日(土)午後2時から、津リージョンプラザお城ホールで歌と朗読によるリサイタル「冬の旅」を開催する。ピアノは兼重直文さんと兼重誓子さん。
「冬の旅」は1827年フランツ・シューベルトが最晩年に作曲した24曲からなる連作歌曲集。一人の若者が失恋のために、冬の夜あてのない旅にでる。社会からはじき出された者が、自分の居場所を求めてさまよう「孤独」。後半は「死」が大きな比重を占めてくる。
歌うのはドイツ語だが、歌う前に自分で訳した日本語の詩をシューベルトの音楽のニュアンスを踏まえて朗読する。後半は、シューベルト晩年の作曲「幻想曲」を兼重直文さん、兼重誓子さんが演奏する。「冬の旅」につながる名作。
津高校合唱部で顧問の羽根功二教諭に出会い、音楽の道に進んだ。三重大学教育学部に入学。2年で東京芸術大学に転入。同大学院修理課程を修了し、日、仏、独、伊、露、英の古典から現代までの幅広い歌曲をレパートリーとして活動。
現代音楽のコンサートに多数出演。マイクを使わない朗読「谷篤ドラマティックリーディング」を企画主催。合唱指導者として関東、北海道、で8団体を指導。コーラスのための編曲と訳詩多数。東京藝術大学音楽部非常勤講師。歌曲伴奏法担当。詩と音楽への深い洞察と表現者としての多様な経験に基づき、歌曲におけるピアノ表現を指導。日本大学芸術学部映画科非常勤講師。俳優を志す学生に歌を通しての自己表現を指導する。
「クラシック音楽は原語で歌い、敷居が高いと思われてます。音楽には深い慰めがあります。朗読を入れるのは、歌詞が分からない方にも作品の世界を身近に感じてもらいたいからです」。谷さんの思いだ。
リサイタル入場券は3000円(当日3500円)、学生1000円。予約・問い合わせは「冬の旅」実行委員会・うつみさん=電話080(5113)1649、このいち芸術舎cono1@art.email.ne.jp