都市環境ゼミナール(伊藤達雄会長)の第45回総会が4月22日(土)、津市栗真町屋町の三重大学翠陵会館であった。事業報告などに続き、三重大学の駒田美弘学長による記念講演「地域創生における大学の役割」が行われ、会員や市民ら約70名が参加した。
駒田学長は、三重大学を創る6つのビジョンとして「安心感のある運営と改革」「社会の未来を創る高等教育」「女性・若手に優しいキャリア支援」「大学発の地域イノベーション」「多様で独創的な学術研究」「自然と共生するグローバル・キャンパス」の6点をあげ、同大学を紹介した。
「安心感のある運営と改革」では新築整備の進む附属病院について、「大学の財政基盤、地域医療の拠点として効率的、安定的に運営する」とし、ドクターヘリ、ハイブリッド手術室、手術支援ロボット「ダビンチ」などの設備面のほか、オーシャンビューで快適な新病棟を紹介。「津波に対する訓練も重ねている。何かあればぜひ入院をよろしくお願いします」と笑いを交えながら話した。
「社会の未来を創る高等教育」では、「三重大学の役割とは何かをもう一度考えたい」として、同学の基本理念に 「人類福祉の増進」「自然の中での人類の共生」「地域社会の発展」に貢献できる 人材の育成と研究の創成を目指すと明記し、地域リーダーや高度専門職業人の育成を見据えて入試改革や地域思考型教育を行っている」と語った。
「女性・若手に優しいキャリア支援」では、子育て世代にやさしい職場を目指しイクボス宣言をしたことを踏まえ、「理系の女性教職員や若手教員をさらに増やしたい」と話した。
「大学発の地域イノベーション」では県内の研究所や企業などを訪問、連携体制の確立や、県内29市町と地方創生について連携協定を結ぶなどの活動について紹介した。
「多様で独創的な学術研究」では総合大学の強みを生かした多分野融合型研究を活性化していくとし、「その研究成果をしっかりと地域に還元していく」と述べた。
「自然と共生するグローバル・キャンパス」では、留学生受け入れなどの国際交流の中で、学生の海外研修を充実させていくとし、「トップの一握りだけが研修に行くのではなく、笑顔とやる気があればOK」と、県民の一員として向かってもらうことなどを話した。
最期に、平成29年度の三重大学のキーワードを「ダイナシズム」「プロフェッショナリズム」「蓄える」として、アインシュタインの「折を経験した事がない者は、何も新しいことに挑戦したことが無いということだ」を引用し、「大学に活力を。研究はステークホルダー(利害関係者)を第一に考え、成果を収め、最高の品質と価値を目指し、それらを自分で決め、やり、負うこと。お金やアイデアを蓄える。蓄えるだけでなく、地域のために使って初めて価値を持つを目標にする」と締めくくった。
参考URL:都市環境ゼミナール